こんにちはえのもとです。
コロナ収まりませんね。。
JNTO(日本政府観光局)の集計データによると、1月~10月の訪日外国人の数は
2019年が約2700万人程なのに対し、2020年は約400万人とのことです。
伸び率で示すとマイナス約85%!!
就労目的での来日外国人数も当然大きな落ち込みだと思います。
コロナが落ち着いてまた多くの外国人の方が来日する未来を想いつつ、
この記事では外国人が日本で就労する方法について書きたいと思います。
さっそく答えですが、下記2点が必ず必要です。
①就労に必要な「在留資格」をあらかじめ取得しておくこと。
②入国審査の時に「上陸許可」を得ること。
まずはこの2点をクリアすることにより、適法に外国人が日本で働くことが可能になります。
以下でもう少し分かりやすく書きます。
在留資格ってなに?
在留資格とは、外国人が日本国内で活動するために必要な資格のことです。
入管法では別の法律で定められている場合を除いて、この在留資格がないと
日本で活動できないと規定しています。
つまり、この在留資格がないと日本では働くことができません。
在留資格はどんな種類があるの?どれくらい日本で働けるの?
在留資格は大きく分け4つの種類があります。
- 就労が認められている在留資格
- 就労が認められていない在留資格
- 特定の活動に限って就労が認められている在留資格
- 身分・地位に基づき就労が認められている在留資格
就労が認められている在留資格
在留資格 | 該当の職業例 | 在留期間 |
外交 | 外国政府の大使、公使、総領事、代表団の構成員等およびその家族 | 「外交活動」を行う期間 |
公用 | 外国政府の大使館や領事館の職員、国際機関等から公の用務で派遣される者等およびその家族 | 5年、3年、1年、3月、30日又は15日 |
教授 | 大学教授、研究の指導者など | 5年、3年、1年又は3月 |
芸術 | 作曲家、画家、著述家など | 同上 |
宗教 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師など | 同上 |
報道 | 記者やカメラマン | 同上 |
高度専門職 | 法務省令で決める基準に適合するポイント制による高度人材※1 | 1号は5年、2号は無期限 |
経営・管理 | 企業の経営者や管理者 | 5年、3年、1年、3月又は4月 |
法律・会計業務 | 弁護士や公認会計士など | 5年、3年、1年又は3月 |
医療 | 医師や歯科医師や看護師 | 同上 |
研究 | 政府関係機関や私企業等の研究者 | 同上 |
教育 | 学校教育機関での語学教師 | 同上 |
技術・人文知識・ 国際業務 |
工学系技術者や通訳や民間企業の語学講師など | 同上 |
企業内転勤 | 外国の海外事業所から日本への転勤者 | 同上 |
介護 | 介護福祉士 | 同上 |
興行 | 俳優、歌手、ダンサー、スポーツ選手など | 3年、1年、6月、3月又は15日 |
技能 | 外国料理の調理師や製造や毛皮の製造など | 5年、3年、1年又は3月 |
特定技能 | 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人※2 | 1号は1年、6月又は4月、2号は3年、1年又は6月 |
技能実習 | 技能実習生※3 | 1号は1年を超えない範囲、2・3号は2年を超えない範囲 |
※1ポイント制による高度人材(2012年に導入)
研究者や技術者や経営管理者など、代替することが出来ない良質な人材のイメージです。
活動内容を「高度学術研究活動」、「高度専門・技術活動」、「高度経営・管理活動」の3つに
分類します。
そして「学歴」、「職歴」、「年収」などの項目ごとにポイントを設けて、ポイントの合計が
一定点数(70点)に達した場合に優遇措置を与えられたりします。
例えば高度専門職1号の在留資格の場合は同居する配偶者が就労可能になったり、本人の
永住許可条件が緩和されたりします。
2号の場合は在留期間が無制限に認められることもあります。
※2特定技能(2019年の改正入管法により導入)
大きくは人手不足に悩む中小企業の人材不足の解消を目的としています。
この特定技能の在留資格は単純労働者から一般の熟練技能労働者まで非常に大きな範囲の
就労分野での受け入れが認められることになりました。
これまで日本は単純労働者の外国人は積極的に受け入れていませんでしたが、慢性的な
日本の人口減の問題等もあり、ようやく受け入れを始めたと言えます。
大きな法律の改正と言えるでしょう。
農業、宿泊、飲食業など14分野に分かれています。
※3技能実習(1993年より導入)
技能実習生受け入れの目的は開発途上国の経済発展に寄与する「国際協力」ですが、
実際には日本人が雇用できず、人手不足の為に受け入れているという理由が多いです。
農業、漁業、建設業など80職種144作業に分かれています。
就労が認められていない在留資格
在留資格 | 該当例 | 在留期間 |
文化活動 | 収入のともなわない学術上、芸術上、日本文化の研究者等 | 3年、1年又は6月又は3月 |
短期滞在 | 日本に短期滞在にて行う観光、親族訪問、講習又は会合への参加など | 90日、30日又は15日 |
留学 | 大学、短大、高等専門学校、高等学校、中学校、小学校等の学生や生徒 ※3 |
4年3月、4年、3年3月、3年、2年3月、2年、1年3月、1年、6月又は3月 |
研修 | 日本の公私の機関によって受け入れられる技術、技能又は知識の習得を目指す研修生 | 1年又は6月又は3月 |
家族滞在 | 在留外国人が扶養する配偶者や子(特定技能と技能実習を除く) | 5年、4年3月、4年、3年3月、3年、2年3月、2年、1年3月、1年、6月又は3月 |
特定の活動に限って就労が認められている在留資格
在留資格 | 該当の職業例 | 在留期間 |
特定活動 | 外交官の家事使用人、ワーキングホリデー、経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士など | 5年、3年、1年、6月、3月又は5年を超えない範囲 |
身分・地位に基づき就労が認められている在留資格
在留資格 | 該当例 | 在留期間 |
在住者 | 法務大臣が永住を認める者 | 無期限 |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者、日本人の子として生まれた者、特別養子 | 5年、3年、1年又は6月 |
永住者の配偶者等 | 永住者・特別永住者の配偶者、日本人の子として生まれその後継続して日本に在留している者 | 同上 |
定住者 | 第三国定住難民、日系2世や3世、中国残留邦人など | 5年、3年、1年、6月又は5年を超えない範囲 |
在留資格はどうやって取得するの?
在留資格を取得するということは、日本の法務省から「在留資格認定証明書」を
交付してもらうことになります。方法としては2つあります。
①外国人を受け入れる日本国内の企業の職員が、その外国人の来日前に代理人として※4
入国管理局に申請する方法(代理申請)
②外国人本人が来日前に母国の日本国大使館に行って申請する方法(本人申請)
上記は①の方が短期間で取得できる可能性が高いです。審査期間は在留資格の種類に
よりますが、1~3ヶ月程となります。
②の場合は現地の大使館から日本の外務省を経由して法務省での手続きといった形に
なるので時間がかかります。
※4代理人として
代理人として日本企業の職員が申請する方法ですが、申請書類が複雑なので作成が困難な場合があります。
書類を持参して出入国在留管理局に申請するのも手間もかかります。
そのような場合に弁護士や行政書士に作成を依頼する方法があります。
行政書士に依頼する場合は行政書士と取次行政書士の違いに注意が必要です。
通常の行政書士の場合は書類作成はできますが、出入国在留管理局への提出や出頭はできません。
これに対して取次行政書士は書類作成だけではなく、提出及び出頭も可能です。
トータルでサポートをお願いしする場合は取次行政書士に依頼することをおすすめします。
入国審査の時に「上陸許可を得る」ってどういう事?
外国人が日本に入国する際には、港や空港で入国審査を受け、上陸許可をもらう必要があります。
入国審査をクリアする要件は下記の6つとなります。
要件を満たすと日本国内への上陸が認められます。
- 有効なパスポートを所持していること。
- パスポートに査証(ビザ)が記載されていること。※5
- 入国の為に必要な「在留資格」に該当していること。それが虚偽でないこと。※6
- 上陸許可基準をクリアしていること。※7
- 希望の在留期間が法律で規定されている在留期間内であること。虚偽でないこと。
- 「上陸拒否事由」に該当していないこと。※8
※5査証(ビザ)とは
査証(ビザ)は外国人が母国の日本大使館等で取得する証明となります。
日本と相互に査証免除の取り決めを結んでいる国があります。それらの国が観光などの
「短期滞在」の査証で来日する場合は、原則あらかじめ取得する必要がありません。
この制度が近年のインバウンド(訪日外国人)の増加要因の一因と言えるでしょう。
※6在留資格は「1. 在留資格ってなに?」で記載した内容です。
※7上陸許可基準とは
在留資格については法令により、それぞれ上陸許可基準が定められています。
外国人が在留資格を取得するためは上陸許可基準を満たしておく必要があります。
※8上陸拒否事由とは
一定の感染症にかかっている者や1年以上の懲役・禁固の刑に処せられたことが
ある者など、拒否事由がいくつかあります。
該当すると入国を拒否される場合があります。
まとめ
今回は外国人が日本で就労する方法について、まず必要なのは就労に必要な
「在留資格」を得ること。
そして入国審査で「上陸許可」を得ることについて記載しました。
改正入管法により新しい特定技能という在留資格が創設され、今後はより
多くの外国人労働者の方が日本で増えることを期待されています。
その為には、まずはコロナが早く終息してくれることを祈るばかりです。